Articles
Dicloxacillin to Human Milk
On 11月 9, 2021 by admin背景 ジクロキサシリンはβ-ラクタム系抗生物質で、授乳婦の乳腺炎治療によく使われる。 ペニシリン系抗菌薬は授乳中の母親と乳児に安全であると考えられてきたが,ジクロキサシリンは乳腺炎によく使用されるにもかかわらず,ヒト母乳への移行に関するデータはほとんどない
症例報告。 本研究では、乳腺炎の治療のためにジクロキサシリン500mgを6時間ごとに服用する授乳中の母親3名から採取した乳汁サンプル中のジクロキサシリンの薬物濃度時間プロファイルを測定した。 乳汁中の濃度は液体クロマトグラフィー質量分析計を用いて測定した。 乳汁中のジクロキサシリンの最大濃度は67.6 ng/mLであった。 また,乳幼児相対投与量(RID)は0.03%と算出された。 この値は理論的に懸念されるレベルである10%を大きく下回っている。
考察。 ジクロキサシリンのヒト乳汁中への移行が限定的であることは、ジクロキサシリンの血漿蛋白結合率が高く、その後のヒト乳汁中への浸透が悪いためと考えられる。
結論 本ケースシリーズでは,乳汁中のジクロキサシリン濃度は非常に低く,RIDは母体投与量の0.03%に過ぎないことが明らかとなった。 検出されたレベルは低いが,ジクロキサシリンは母乳中に移行する。 ペニシリン系薬剤に過敏な乳児には注意が必要である
。
コメントを残す