腹腔鏡下巨大食道ヘルニア修復術
On 12月 19, 2021 by admin手術の手順
図2:腹腔鏡下巨大食道ヘルニア修復のポートサイト配置
患者は手術台に仰臥位にて、右側から執刀、左に助手が付く形で行う。 上腹部に5mmと10mmの腹腔鏡ポート(Versaport, United States Surgical Corporation (USSC); Norwalk, CT)を4つ設置する(Fig.2)。 肝左側面は5mmのflexible retractor (Snowden Pencer, Genzyme; Tucker, GA)で前方に引き込み、固定保持具 (Mediflex; Islanda, NY) に固定する。
裂孔を露出させた後、無痛把持器 (Snowden Pencer) を用いて手探りで胃ヘルニアを腹腔内に縮小する (Figure 3). 超音波剪刀(USSC)またはハーモニックメス(Ethicon; Cincinnati, OH)を用いて胃肝靭帯を切断し、横隔膜の右肩を露出させることから剥離を開始する。 次に胃脾靭帯を眼底への後方付着部とともに切断する。 引き続き、後食道腔の左右の十字架の接合部を露出させるように剥離する。 ヘルニア嚢と胃食道脂肪板を注意深く剥離し、前迷走神経を脂肪板とともに食道の右側に掃引する(図4)。 超音波剪刀による鋭利な剥離とグラッパーによる鈍的剥離を組み合わせて、ヘルニア嚢を縦隔から、横隔膜修復やラップ形成の領域から離して完全に除去する。 嚢全体をヘルニア腔から取り除くべきであるが、損傷を避けるために迷走神経に近接した嚢の一部を残すこともある。 その後、食道遠位部を上方に移動させ、食道短縮の有無を判断する。
Figure 3: 腹腔鏡下での胸腔内胃縮小術 | Figure 4: 前胃内食道脂肪腺の剥離 | |
– | -1985 | Figure 5: EEA staplerのアンビルポジショニング |
食道胃接合部が横隔膜裂孔の下に残らず、腹腔内の食道が十分に緊張しない場合、ラップの前にコリス胃形成術が追加される。 Maloney食道ブジーは外科医が経口的に小弯に沿って胃食道接合部を横断するように設置する。 通常50フレンチのブジーを使用する。 21mmEEAステープラー(USSC)のアンビルの先端に2番のビクリル縫合糸をつけた大きなテーパー針をまっすぐにして結び、胃食道接合部の高さから約4~5cm遠位でブジーに隣接して針を後方から前方に胃を通過させる(図5)。 その後、アンビルをブジーに隣接する胃の後壁と前壁を通して静かに引き抜く。 電気メスを適切に使用することで、アンビルの先端を容易に通過させることができる。 次にEEAステープラーを腹腔内に挿入し、アンビルと結合させ、発射する。 発射されたEEAステープラーは胃壁に円形の欠損を形成し、エンドGIAステープラーで胃形成セグメントを完成させることができる。 エンドGIAⅡ(USSC)はブジーにぴったりと沿うように頭側方向に発射され、少なくとも4cmの緊張のない腹腔内新食道が形成される(図6)。
図6:エンド-ジアステープラーによる新食道の作製。 | Figure 7: Collisセグメントを360度囲む縫合 | Figure 8: Completed crural repair and Collis-Nissen fundoplication |
食道あるいは新食道はブジー上に2-3cmのフロッピーニッセンファンドプレーションとして胃底部の移動とともに包まれる。 通常、ラップ形成には3本の中断縫合糸(2-0 Surgidac, Endostitch, USSC)を使用する(図7)。 その後、ブジーを抜去し、経鼻胃管を挿入する。 再びEndostitch(USSC)を用いて0ブレードポリエステル縫合糸(Surgidac、USSC)でクルーラを後方から縫合する(図8)。 ほとんどの場合、十字線は主に過剰な張力をかけずに近似させる。
術後1日目に経鼻胃管を抜去し、修復の評価と漏れの排除のためにバリウム嚥下を行う。 漏れがなければ、その日のうちに透明な液体を開始し、術後2日目に自宅へ退院となる。 その後、3週間かけて自宅での食事療法を進め、通常の食事とする。 すべての患者は1ヶ月後のフォローアップで、再度バリウム嚥下検査を受ける。
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